北信濃の覇権をめぐり川中島で戦いを繰り広げた武田信玄と上杉謙信。両者は領地だけでなく、全国に広く信仰を集めていた善光寺の威光をも手に入れようと奪い合った。その善光寺大勧進には、現在、信玄と謙信の位牌が並んで納められている。
左側にある武田信玄の位牌には「法性院殿機山信玄大居士」と記され、銘によると武田の旧臣であった藤井石見守の末裔、藤井甚左衛門師邦が嘉永5年(1852)に納めたものとされている。右側の上杉謙信の位牌は、信玄の位牌とほぼ同じ大きさで、「不識院殿心光謙信大庵主尊霊」と法名が記されている。銘はなく、信玄の位牌にあわせて納められたものと推定されている。
全国の信徒が納める数十万体の位牌とともに位牌堂に安置されていたが、現在は宝物館に安置され、拝観することができる。
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